山本弘『翼を持つ少女』
さて、竹富島で読んだ本シリーズ最終回
今回は山本弘の『翼を持つ少女(上・下巻)』
この本のテーマは"ビブリオバトル"である
そもそもビブリオバトルを知らないかもしれない
ビブリオバトルとは、数名の対戦者が各々のオススメの本を持ち寄り、それを制限時間以内に紹介。最終的に観客も含めた投票を行い、1番"読みたい"と思わせた者が優勝となる
私は中高大と時々やっていたので馴染みがあるが、やったことがなくても大丈夫。簡単なルールであるしすぐに入り込める
今回の主人公はSFが好きな少女と、ひょんなことから彼女に本を貸し始めた少年
この本の良いところはもちろんストーリーでもあるのだが、登場するビブリオバトル部の部員たちの紹介する本の多彩さである
昔、大学で論文(というのも憚られる稚拙なもの)を書いた際に、読んだ論文の参考文献の論文を読む、ということをしていた。今も同じくしている
その時の感覚に似ている。紙の上で繰り広げられるビブリオバトルに参加し、"読みたいな"と思った本を購入する
すぐに購入できる現代の便利さを噛み締めながら二重に楽しめるのだ
もちろんストーリーも良い
クラスで浮いていた少女が少年の誘いでビブリオバトル部に入部し、部員に心を開きながら人に本を紹介する楽しさに目覚める
ガチガチの青春ものだが、それが良い
部活なんてものに久しく触れてないおばさんはそんなワードだけで泣ける
自分の好きなことを素直に好きと言う
ビブリオバトルはそんなことを教える
でも、ただ押し付けるだけではいけない。分かっていない相手にどう伝えるのか
これは企画会議でも使えるな〜〜と社畜は思うのである